● 宇治駿河屋の飴は、水飴を出来る限り使用しない本来の飴作りを大切にしています。決して作り手の都合で配合や製法を変えることはありません。
● ところが、古来より伝わってきた飴は、味は良いのですが吸湿性が非常に高く、直ぐに湿気てしまいます。直ぐに湿気てしまう理由は、砂糖で仕上げた飴は吸湿性が高く、水飴で仕上げたものは吸湿性が殆ど無いといった理由なのです。
● 飴の製法
良質な飴は純度の高い砂糖(白双糖)を使用し、水飴は殆ど使用しないのですが(総量の10%〜15%位)、作るのには高度の技が必要です。逆に水飴を多くすればするほど作るには楽で失敗することもありませんが味も悪くなってしまいます。
● 味を犠牲にして失敗を防ぐのか、失敗を覚悟してでも良質な商品を作るのかは、その店のアイデンティティー(identity)に関わるものですが、当店は後者を選択しております。
● 当店伝承の飴 (宇治石) は140度〜150度の高温で仕上げますが、出来上がり直後の飴はカラカラと乾いていますが、冷え始めると同時に吸湿し始めます。気圧の高い快晴日ならさほど気にすることは無いのですが、1000hPaを下回る日には10分ほどで吸湿し商品価値がすぐに無くなってしまいます。 (こんな日は直ちに袋詰めを完了しなければなりません)
● 当然ながら一度に沢山の量は出来ません。多量に作らなければならない大手の飴屋さんでは水飴の力を借りて、吸湿しにくい飴を製造するわけです。ましてや飴を一粒ずつ個包装する飴屋さんでは、当然ですが殆ど水飴を煮詰めただけの飴を作らなければ成り立たないわけです・・・・
● 保存性の悪い飴を作ってしまい申し訳ありません。もちろん飴を一粒ずつを個包装したいのですが、家業的な制約もありそれも叶いません。お客様にはご不自由をお掛けしますが味に免じてお許し下さい。でも飴は吸湿しても腐敗するようなことはありません。理想的な保存方法は、密封性の高いお茶缶や海苔の空き缶等をご使用いただき、乾燥剤と共に保存して下さい。
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着色料・香料などの添加物は一切入っておりません)